2005-01-01から1年間の記事一覧

救済

君の背後に にじり忍び寄り そっと抱きしめて 私は手のひらを 分厚いその口びるに 押し当てる 手の平の筋から吸収される 言語洪水のエクスタシー 君の声の中で溺れて忘我する 私を突つく言葉はドープ 私の日常を抹殺し 破壊しながら互助してる 私は 息を止め…

影遊び

唐突に光が 顔をのぞかせて 向き合った君の顔が 一瞬にして見えなくなった 光は影を従えて 遠ざかろうとしている イマ キミハ ワラッテ マスカ 光の中に君が吸い込まれて 私はその白い顔に手をのばす 光の踊り場に映し出される影は 本心を語れない君の分身 …

凍える朝

コンビニの駐車場で うずくまる せつない少女 沈黙の鬼胎を宿す 現実の 生は見えない 脳にみごもる 空洞の寝室

朝露

君の透き通った瞳に宿る 幼い野望をかなえるために 私は朝露がついた路端の花を 一輪摘んでおきましょう 大きなテーブルの真ん中に ペンダントライトのすぐ下に キレるほどの寒さが消えて 朝露が花にしみ渡り 決められた時間が来る頃に 君は気流に乗って昇れ…

夜の渋谷

消費する電力 放浪する魂 飛散する言の葉 浪費する幸 光る木々 走る電車 戸惑う車 天地無用 泡の電飾 欲情の小部室 痴呆の民 命の劇場

白い息

すみきった空の早い朝 通学路の途中で 白い息 君はひとつ吐きました はふはふ 何度も吐いたあと すくって 手にのせ 上手に丸め ポーンと空へ 投げました みるみる 君の体が軽くなり ふわ〜り むんむん浮いてきて 宙の君は うれしそう ほらほら そんなにはし…

みなさん こんにちは

もう12月です。 雪虫が飛んでます。 いつも来てくださっている方々 本当にありがとうございます。 感謝の言葉をどうしても伝えたくて、 今日はメッセージにしてみました。 更新するのが遅くてごめんなさい。 書きたいことは山のようにあるけれど、 稚拙な脳…

河原

緘黙な河原の 時空に 光と闇を緩衝する 片目の番人が 夕闇の時を操るように ふわりと宙に 浮いている にじんだ だんだんの空で 昼と夜が 一気に交錯せぬように 闇夜が 一途に突き抜けないように そろりゆるりと 時を見計らい 番人は 飛んでいる 河原の土手の…

メタ認知

勝つか負けるか 大人か 子供か 富めるか 貧しいか 独りか族を束ねるか 世界は極の広がりの 恐怖に満ちている 差別や区別が横行し 組み分けされた労働者が地上で泣いている 巨大な 遠心分離機 遠心と求心の力は 等しくて その中に 放り込まれるのは 他でもな…

ピンポンボール

先頭に立ち 朝焼けの中で旗を振る 紫の世界が 照れた五感を挑発する (ハッシン スルンダネ) 堆積した幾つもの地層から 昇華した魂は まるで ピンポンボールのようだった 数が増えるほど 楽しげに弾むけど 多くは恍惚として 戻らない (シカシ ミツケタネ)…

指笛

路地のコーナーの送電線の下で、 私は指笛を吹いている。 あなたが自分を見失いそうだから、 私はここにいると合図する。 たよりない指笛が、 あなたに届くのだろうか。 あなたはあなたであることを 知らせるために、 相変わらず 私が私でいることを伝えるた…

秘密

小さくまあるい秘密 左手にぎゅっと 握っている 内緒にするほど 大したことではないけれど 持ってるだけで もこもこと あたたかい ときどき 指の間からこぼれないよう そっと 握り直す 祈るように 覚めないように あなたとの 小さな 約束だから

空の音

空の音を聞いていた 顔を天に向け 風を頬にうけ 人が歩き始める気配も忘れ 空の色を見つめてる 信号が変わっても 君は歩き始めない 空に話しかけていた 顔を天に向け 風を頬に受け 微笑んでいる 空に向かって笑ってる 君の白濁したその目に 空の青さが残って…

ザッハリッヒ

そう きのうもおとといも 私はここにいた きっと 明日もここにいる 当たり前のように ここにいる 即物的まっとう理論 そろそろ初霜が降りる それがいいのか悪いのか そんなことすら分からない 目先のことに 囚われる その日常 ザッハリッヒ

庭に放置したマウンテンバイクの サドルの下に 凍えて動かないカマキリがいる 生きるよすがの触覚は 片方が折れ もう片方も しなだれて レースのように美しいはずの薄翅が 硬い翅の下から 収まり切らずに覗いてる それは 火で悪戯されたように まだらに茶色…

うけとめる

手のひらを ふたつ合わせて 空に向けてみる この両手に 沈むものは何? 午後のスピリチュアル ひきよせて そっと抱きしめる

偏愛

自然を ヘンアイし 恋人を ヘンアイし 己 を ヘンアイし 自暴自棄を 偏愛する 陶酔を ヘンアイし 挑発を ヘンアイし 理屈を ヘンアイし 利権を 偏愛する 知の中で泳ぐ いくつものヘンアイは 己という金魚鉢の中に まかれたエサのようだ ハカラズモ 無残に膨…

深夜のダイアローグ

足音がついてくる 一歩遅れて夜の通りをついてくる 後ろを振り向いて道連れですかと 問いたいけれど 勇気が湧かない 雨降りの深夜は人影も無く 雨音とふたつの足音と にわかに高鳴る心音が傘の中を駆け回る しばらく一緒に歩いてみたが 三味線教授の家の前で…

雨が降っている 五臓六腑に染み渡る 雨が降っている 小さな声で 君の名前を呼んでみる 声の上に雨が重なって 君の名前が アスファルトの中に 滲んで消えた 雨が降っている 有象無象に渡り往く 思いの雨も降っている

融合

スローライフ って何 ゆるりと生きるって 何 心地よく生きる って何 涙を売り物にするって何 現実世界は 自然も電子も融合してる 早すぎる 懐古するには 若すぎる 早すぎる 悟りを開くには 無知すぎる

承知

『 臆せず 気にせず 迷わず ススメ 君の声がする方へ 』 もがき苦しみ、喘ぎ、 みっともないほど狂うことが 必要な時もある。 それは押し込め 圧縮された日々の感情を整理して、 少しずつ溶かし 掃き出す作業だ。 孤独で つらい方法なのだけれど、 それをし…

化粧

そんな見場の悪い 純粋観念なんて 何の役にも立たないよ そんな見え透いた 孤独演習なんて ありえない 捩れたかしましさだけが 君の顔に鎮座する

受信

今 導かれるままに歩きだす 見えない何かが私を ツリアゲル 遠くの空から来る 知的メッセージ パラボラの先に集中した 無形のゲーム トビトビとホクホクと 私を待っている だから導かれて ヨロイを捨てた それで何かに 私は聞いた これは クモの糸ではないで…

ヘンゲ

ヘンゲジザイが始まる私は私に言う そして指導する なりたい私になるために 今日も明日も 視線は高樹の梢のその先へ そして君よ ジザイにヘンゲし ツラツラと無駄を落とし ドッピとワメイテ 己を築き上げていけ しかし 生まれ変わることを 望んでは見たもの…

くるりくるり

ありがとうと いう ありがとうと伝えたい こんなにいいお天気だから お洗濯をしたの 朝5時に起きて お弁当作って 子が学校に行き 思い出して さっと洗濯機を回す がらがら唸る つんぱーんとシワを伸ばし 背筋も伸ばす お日様に向けて干す 家族の香り くるり…

シーソー

シーソーにのってみた 向こうばかり 高く上がってる その先端は微動だにしない 足を思いっきり蹴って 上がったり 下がったりを試みる 手応えの希薄さ 体に重みを 感じないという事の 可笑しさだけが 空を行き交う 平衡をもたらす 快感の楽しさは 行ったり来…

笑う空

君が空蝉の 空は広い 世を渡り 突き抜ける 光りのシグナルは まだ来ない それでも 希望はあるさ 雲が ほら 逃げて行く

くるくる

過去をひき出し 今を 紡いでる 今を 編み上げ 未来にひき渡す くるくるまわす 時空を まわす

午後の終結

光りがたくさん 集まる部屋に 広く大きなテーブルを ひとつ 遠くからきた 一枚板のそれは 深い落ち着きを 宿してる 両手を広げて 頬をつけてみる 耳に伝わる 微かな振動は 君が囁いた 言葉のようだ 「愛してる」 包括する 過ぎた日々が 遠くで 私を呼んでい…

物の視点

私である事で、見えるモノの見方。 あなたである事で見えるモノの見方。 必要があって、捕える力。 欲望があって、見据える力。 私が私であるという証明になるモノの見方。 あなたがあなたであるという証明になるモノの見方。 存在を示す、狼煙。 私自身、あ…