2006-01-01から1年間の記事一覧

ふたたび、空へ。

壁を上るんだ。 いっちに、いっちに。 ロッククライミングなら得意なの。 手と足のバランスに気をつけて。 クロスして、空へ。 リンクして、また空へ。 安全な道を選ぶのか、 最短のスピードを選ぶのか。 安全で最短の、道はどこ? いっちに、いっちに。 リ…

散歩の途中

本当のことがいえない時に あなたの顔をじっと見ていれば、 気持ちは伝わるのでしょうか。 夜の街をただひたすら歩いて、 言葉にするチャンスを探していたのだけれど、 どうしてもいえなかった。 遠い国の話、 時間の短さの話、 将来の夢の話、 アキ・カウリ…

月よ 月よ 月よ月

そろそろ月を見にいきましょう。 丘の上にぽっかり浮かぶ、 まあるく蒼いお月さま。 それとも海を銀色に染める 霞の中のお月さま。 足元からせり上がる風が強ければ、 草むらに身を沈めて見上げます。 凍えながらも見上げてみます。 見つめ過ぎて首は上方4…

道路工事の旗振りの 年のころ70歳代と おぼしきおばさんの トンチンカンな誘導に 泣き笑う 罵詈雑言誘ってどうするの そんな 一所懸命 頭 下げてどうするの そうやって あなたは お辞儀ばかりで 暮らしてきたの? 悲しさなんて どこにでも転がっているから…

アーカイブ

記憶すること 受けとめること 感じること すべてを 脳内アーカイブに投げ入れる (雑多にごちゃごちゃと) いつか ストックされた 雑多な無形物が ワタシという人間の 製造マシーンで 有形化する時がきっと来る 記録保存所に投げ込まれた情報は ある瞬間 存…

茜空

夕焼けの桜吹雪の中で のんきな君と とりとめのない話がしたい たとえば 今度の仕事の話や 深夜の駐車場に集まる のら猫たちの 会合時間について とか。 時々 笑ったりして 茜雲の間から 春をさらうような風が吹いてきて ざわざわと、木々が揺れる 桜の花び…

ここにいる

小さき心に 打開の風よ吹け 閉じた世界に 光明を 身振り手振りで 言語の外の感情を ここに! ここに! ここに! 吐いてしまえ 慟哭し 砕け 再生するんだ 私は待つ 私は見てる 私は身を賭してでも 君の未来を守りたい いつだって 君を受けとめる 小さき心に …

空耳

悪戯な三月は季節も、心も 一進一退を繰り返す 先に進もうとすれば、 冷たい春の嵐が 浮かれた五体と 根拠のない高揚感を ブローする 遠い日の声が耳元に届く 「いい気になるなよ」 あれは 校則破リを侵した日に 足早に通り過ぎていった 高校教師の憤りだっ…

マンホールの光

いくつかのマンホールがあって その中の一つ一つを丹念に覗いてみた 中はどれも底の見えない空洞だ 私は密林に棲む獣の目になり 暗闇の先を凝視する 気を抜けば呼吸を剥奪されそうだ トンネルの遥か先に わずかな光が見える 笑って いるような 躍って いるよ…

魑魅魍魎が支配するこの現し世は 成長しきれない脆い子供の骨で作られる あまりにも細く儚く頼りない 魔界に棲む獣たちが携えている荷物には 本能や煩悩や陵辱的な知識が積まれてる 学識は人を騙すための道具に成り下がる 恥辱とは 何 尊厳とは何か 人ほど怖…

未明の街

時が流れてく トクトクと ワッショイと 連なりながら ふふと、微笑みながら さっきまでいた君の吐息 一歩前の歩行の姿勢 通り過ぎた孤独な横顔 始発前の電飾の瞬き 思いだし笑いの笑窪後 階段を駆け降りた動悸 無駄なことも 大切なことも 死守することも 背…

クオリア

朽ちたベンチのめくれた座面 生まれたばかりの戸惑うため息 青色発光ダイオードの光の残像 捨てられたぬいぐるみの汚れ 屹立する高層ビルの天辺 脳の中に芽生えた おびただしい数の 説明できない新しいクオリア 私の存在 君の存在 我らの存在 未知を開拓し …

本日

あたらしい 暦 あたらしい手帳 あたらしいペン あたらしい 靴 りゅーんりゅーんと 心 フルワセル あたらしい道標 あたらしい 道 あたらしい 風 あたらしい口紅 びゅ−んびゅ−んと 心 サラワレル クロスしてリンクする希望 新しいことの一切宝的受領大海のパッ…

燃えつきない流星

青空の下で君と会う 君は体をかばいながらやってきた 突然倒れたあの日から五つ目の冬が来たんだ 空はあんなに澄んでいる 通りの風が冷たいよ 麻痺した左手も 曲がらなくなった左足も 会話を奪われた言語障害も 君を幼くさせているけれど 笑顔はあの時のまま…

ロンド

廻る廻る廻る 夜の公園の水銀灯の下で 繋いだ手が離れないよう 握る力のバランスに気をつけて 終りの合図は決めてない 君と私のあてないロンド