ヘンゲ


ヘンゲジザイが始まる

私は私に言う そして指導する
なりたい私になるために
今日も明日も 
視線は高樹の梢のその先へ
 

そして君よ


ジザイにヘンゲし 
ツラツラと無駄を落とし 
ドッピとワメイテ
己を築き上げていけ
 
 
しかし


生まれ変わることを
望んでは見たものの
不条理な外気の寒さに震え 
踏み出すことを恐れてはいないか

 
君は覚えているか
母体との共同作業で
やっと 這い出した
この世のカラカラとした眩しさを 
 

魚からほ乳類へヘンゲし
エラから口で呼吸が始まり
銅鏡に導かれ モノ言う生を始めた時の
張り上げた声の 存在証明を


忘れたならば思い出し 
即座に 無へと回帰せよ


そして ヘンゲスル
すでに君は大人
時を積み上げた大人

 
積み重ねられた 
くわくわする荷物は
傷つけない程度の 柔らかいガーゼで、
拭き取り 剥ぎ捨てて
満月が浮かぶ産湯の中に投棄せよ                                                              


卑下することなく尊びながら
手早く愛おしくふき取り整えよ

 
モノ言う君よ ヘンゲせよ
雄々しく 強引に
なりたい君を思い描きながら
世を生の中に刷り込み 落とし込め


高樹のその先に ヘンゲジザイの君がいる