燃えつきない流星

青空の下で君と会う
君は体をかばいながらやってきた
突然倒れたあの日から五つ目の冬が来たんだ


空はあんなに澄んでいる
通りの風が冷たいよ


麻痺した左手も
曲がらなくなった左足も
会話を奪われた言語障害
君を幼くさせているけれど
笑顔はあの時のまま


言葉は選ばれて君から離れて行く
空に突き刺す街路樹の枝が風に揺れる


君ははにかんでつぶやいた
        (人並みの能力戻るかな)


君の顔を見てる
うつむいた目を覆う長く美しいまつ毛や
ちゃんと手入れしたまゆ毛の凛々しさを
じっと見てる


青空の下のぎこちないはにかみが
君と私の 左手に 左足に 
静かに染み渡る


能力なんて君が思ってるほど平均ではないんだ
みんな何かが壊れてる


一緒に歩く
青空の下を一緒に歩く


あの空の先で廻り続ける
藻くずのような 燃え尽きない流星を
拾い集められるのはいつの日だろう


しかし


流星は大気を破り地上に舞い落ち
自由という名の隕石になることもある
踏み出す力はまだ残ってる
戸惑い笑い泣きながら 前へ 前へ


            青空の下
            北風の中
            君の明日へ