2006-03-20 空耳 悪戯な三月は季節も、心も 一進一退を繰り返す 先に進もうとすれば、 冷たい春の嵐が 浮かれた五体と 根拠のない高揚感を ブローする 遠い日の声が耳元に届く 「いい気になるなよ」 あれは 校則破リを侵した日に 足早に通り過ぎていった 高校教師の憤りだったのか 夜通し飲んで出社した朝に 緊張を無くした顔へ吐きつけた 上司の怒りだったのか サクラのつぼみは まだかたい 自嘲する 自分の声は届いているか 風が吹く 対話せよ 自制せよ