アーカイブ
記憶すること
受けとめること
感じること
すべてを
脳内アーカイブに投げ入れる
(雑多にごちゃごちゃと)
いつか ストックされた
雑多な無形物が
ワタシという人間の
製造マシーンで
有形化する時がきっと来る
記録保存所に投げ込まれた情報は
ある瞬間 存在を誇示する
(ほら これを引き出したまえ と)
シグナルを送って来るのは
明日かも知れない 今日かも知れない
遠い未来かも知れないね
でもそれは突然きっとやってくる
脳の中で
電光の糸が矢印を放ち
無数のアーカイブボックスが繋がり
雑多な記憶がかたく結びつく
一つの大きな光の球体
大切なことは何か
ワタシが何を書き留め
何をキャッチして
どれほどアーカイブに投げ込むかだ
大空に浮雲
未来は
果てしない時空の中に
ワタシの大空にも
時々刻々と形を変える
呼吸する雲が浮かんでる
ここにいる
小さき心に 打開の風よ吹け
閉じた世界に 光明を
身振り手振りで
言語の外の感情を
ここに!
ここに!
ここに!
吐いてしまえ
慟哭し 砕け
再生するんだ
私は待つ
私は見てる
私は身を賭してでも
君の未来を守りたい
いつだって
君を受けとめる
小さき心に 起死回生の風よ吹け
マンホールの光
いくつかのマンホールがあって
その中の一つ一つを丹念に覗いてみた
中はどれも底の見えない空洞だ
私は密林に棲む獣の目になり
暗闇の先を凝視する
気を抜けば呼吸を剥奪されそうだ
トンネルの遥か先に
わずかな光が見える
笑って いるような
躍って いるような
遠い安息の夜に見た
石灯籠の瞬きに似た
静謐な灯
その小さな輝きに
私の背後からこぼれる
地上の光が
距離感も掴めぬまま
マンホールの底の揺らめきに達し
融合すると
それは存在の証明を誇示するように
わずかに浮かび上がった
あまたの光るもの
マンホールの先に見いだした
遥かな宇宙の遊星
背後の光をさらに照射すれば
光をはらんだその星は
この手元まで 浮かび上がってくるのだろうか
指先に
腕に
体に
頭脳に光を
密林に棲む獣の目で見つめている限り
遊星は浮かび来ない
光は賢さと 受けとめる器を望んでる